予想外、想定内、意味不明

 日曜日の午後、リビングでテレビを見ていると、テーブルに置いてあったスマートフォンからベルの音が鳴り響きます。画面を見ると発信元が鳥羽弁護士と表示されています。日曜日は弁護士事務所の休業日ですが、そんな日に電話をかけてくるということは何か急ぎの用件に違いないと思い、直ぐに電話に出ます。

 「交通事故の件ですが、先方が弁護士を立ててきましたので連絡いたしました。」

 なんと、加害者の黄中が弁護士を依頼したというのです。これは予想外でした。任意保険に未加入の加害者がお金を払って弁護士を雇うことは普通は無いからです。

 とはいえ、相手方が弁護士を立てるのは全く想定しなかった事ではありません。仮に自分が加害者の立場であったとして、もし被害者が弁護士を立ててくれば自分も弁護士に依頼するしかないと思います。また、わざわざ高額な報酬を支払ってまで弁護士に依頼する理由は、刑事事件(自動車運転過失致傷罪)での起訴を避けるため、示談交渉で被害者に賠償金を支払って刑罰を避けたいという事に違いないでしょう。交通事故の発生から4か月経過しているので、もしかすると検察庁に呼び出され、検事に怒られて慌てて示談交渉を始めようとしたのかもしれません。要するに、

「ロードバイクの修理費を払うので、どうか寛大なご処置を・・・」

 と言って白旗を挙げ交渉を申し入れて来た状況です。少し前に脳内作戦会議で立てた「可能であれば加害者からのロードバイク修理代の支払い申し入れを狙ってみる」という作戦どおりです。

「計画通り・・・(ニヤリ)」

 既に自動車保険からの支払いが確実な治療費や慰謝料に加えて、さらに大切なロードバイクの買い替え費用も取り戻せるという展開にスマートフォンを手に持ちながら頬が緩みます。

 ところが鳥羽先生は相手方の弁護士の所属と名前を私に告げると、意外な言葉で話を終えてしまいます。

「連絡は以上です。」

「えっ?」

 郵送による受任通知が届いただけで、先方からの連絡や交渉の申し入れといった事は一切無いとのこと。鳥羽先生に今後どうなるか聞いてみましたが、先方から連絡が無い限り分からないとのことです。少し期待が外れましたが、週明けに連絡が来るという事も考えられるので、とりあえず月曜日を待つことにします。

 しかし、私の期待に反して、その後も先方の弁護士からは何の連絡もありませんでした。

 相手が弁護士を依頼したところまでは理解できますが、それ以降の対応は理解に苦しみます。無保険で資産も無いのに、決して安くない報酬を支払って弁護士を依頼しておきながら、被害者と交渉しようとすらしないとか、全くもって意味不明です。

 これで事件は一気に解決かと思いましたが、残念なことに何の進展も無いという結果になりました。今後何か動きがある可能性が無いとは言えないので、大人しくリハビリ生活に戻ります。

 しかし2週間後、私を驚かせ大笑いさせる事態が待ち受けていました。

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