示談交渉前に心得ておくべきポイント

 物的損害の示談交渉は、通常は加害者の加入する保険会社を相手に示談交渉を行うことになります。この記事では相手方との示談交渉前に予備知識として心得ておくべきポイントを説明します。

示談交渉の流れ

 示談交渉開始から示談成立までの流れは、大まかに分けて次の4段階で進みます。

壊れた物の調査・特定 交通事故の損害(何が壊れたか)を特定し、損害物と価格の一覧を作成して保険会社に送付します
保険会社の示談金の提示 こちらが送付した資料を基に保険会社が損害額を計算し、賠償金額を提示します
提示額の検討 保険会社が提示した賠償金額や過失割合が妥当かどうか検討します

示談成立

提示内容に合意すれば保険会社から示談金が支払われます

被害者が資料を作成して請求する必要があります

 交通事故で破損したロードバイクの損害賠償を加害者から支払ってもらうためには、被害者の貴方が被害を受けた物の一覧を作成し、損害額を計算して請求をする必要があります。ショップで修理見積り作成を依頼したり、購入年月や購入金額を調べて請求書を作成するなどの煩雑な作業が必要になります。

 自分は被害者で何も悪くないのに、なぜそんな面倒な事をする必要があるのか?と思うかもしれませんが、損害賠償の原則は、どのような被害があったのかを証明する責任(立証責任)が被害者にあるとされています。民間人同士の話し合いでも裁判でも全て同じです。被害者が損害があったことを証明しなければ、加害者は損害賠償をする義務が無いというのが大原則です。

 交通事故でロードバイクが壊されて散々な目にあったうえ、面倒な作業まで生じて腹立たしいかもしれませんが、必要な事ですので仕方ありません。

自分が加入している保険会社は相手方と示談交渉は行ってくれません

 自転車修理費の請求に保険会社の示談代行サービスは利用できません。自転車保険などに加入していたとしても、相手方への損害賠償請求は保険契約の対象外ですので、示談交渉は全て自分で行う必要があります。

 例外として、相手方にも怪我または車両の破損があり、かつ損害賠償を請求されて個人賠償責任保険を利用する場合のみ、間に入って示談交渉の対応をしてもらうことができます。

買い替え費用の全額は補償してもらえません

 破損したロードバイクは新品価格で補償してもらうことはできません。損害賠償は壊した物の時価額を支払うのが原則ですので、ロードバイクの時価(同程度の中古品価格または、新品価格から経年劣化分を差し引いた後の価格)が補償の限度額となります。したがって、新品へ買い替えようとする際に示談金を全額買い替え費用に充てたとしても、必ず不足額が生じます。足りない分は貴方の貯金から支出する必要があります。

 また、年数の経過した物は時価の評価が非常に低くなります。購入から6~7年経過したロードバイクが全損の場合、新品価格の1割程度が賠償額として提示されることもあります。さらに貴方の過失割合分が差し引かれますので、提示額の想像以上の低さに驚くかもしれません。

 しかし保険会社の提示額は一般的な基準で計算した金額であり、不当に支払額を安く抑えようとしている訳ではありません。

損害額の一般的な計算基準が定まっていません

 ロードバイクも車両(軽車両)ですので、損害額の計算は自動車の交通事故と同じ方法で計算するのが一般的です。ただし、自動車事故は非常に事例が多く損害賠償の「相場」が確立されていますが、自転車、特にロードバイクは事例が極めて少ないため、一般的と言える損害賠償の計算基準が確立されていません。

 情報が不足しているのは相手方保険会社も同じですので、算定額について意見が対立したり、少ない情報と資料を調べながら手探りの示談交渉になる可能性が高いと思われます。

慰謝料の請求はできません

 交通事故で怪我を負った場合は、精神的苦痛に対する慰謝料を請求できるのに対して、物を壊された事に対しての慰謝料の請求は認められていません。たとえ特別な思い入れのあったロードバイクだったとしても、前述の時価額以上の金銭を請求することはできません。

 示談交渉前に心得ておくべきポイントは以上です。次の記事からは、物的損害の損害賠償請求から示談成立までの具体的な方法について説明します。

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