自動車保険の「約款」を解析せよ

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 8月のお盆前の平日に、左手舟状骨の手術を名古屋駅西病院で受けてきました。
 午前10時に病院の窓口で入院手続きをして、午後1時には病室から車椅子に乗せられ手術台へご案内。左手に神経麻酔を射たれ、ガリガリゴリゴリされチタンボルトで骨折箇所を接合した後、2時前には車椅子で病室のベッドに戻ることができました。麻酔手術をしたので翌日昼過ぎの退院となります。

 手術は問題なく終わりましたが、手術後の処置で左手がギプス固定に逆戻りすることになり、ローラー台の運動がしばらく不可能になりました。9月のイベントにはギリギリ間に合いそうですが、ギプス固定期間が長引くことで筋力低下や後遺症の心配も出てきます。

 加害者の黄中から全く賠償の見込みは無く、ロードバイクの練習もできないなど全く良い事の無い状態で、少しでも前向きになれる要素があるとすれば、通院日数に応じて受け取ることができる入通院慰謝料に相当する保険金だけです。具体的な金額を知り今後の見通しをつけることができれば、多少の安心に繋がるはずと考えます。

 そこで、表計算ソフトで保険金の受け取り金額を自動計算できる数式かマクロを組むことにしました。

 計算式を作るためには、保険金の支払い基準や条件を調べる必要があるので、自動車保険の約款を保険会社のホームページからダウンロードします。
 以前の法律相談で、保険会社が定めた金額が支払われると聞いていたので、約款に書いてある「通院1日あたり○○円」という記述を探せば済む程度だと思い、軽く調べてみるとさっそく該当箇所がありました。

<別紙> 人身傷害条項損害額基準

第1 傷害による損害
(人身傷害条項第7条(損害額の決定)(1)①関係)
 傷害による損害は、被保険者の被った積極損害(救助捜索費、治療関係費、その他の費用)、休業損害、精神的損害およびその他の損害とする。

(中略)

日額×対象日数=精神的損害の額
(1)入通院、期間区分による精神的損害の額
 ① 日額
  入院1日につき、8,400 円
  通院1日につき、4,200 円

 ② 対象日数
 対象日数は、各期間区分ごとに定める次の割合を、入院、通院それぞれの基準日数に乗じて決定する。
 事故から3か月までの期間     :100%
 事故から3か月超6か月までの期間 :70%
 事故から6か月超9か月までの期間 :45%
 (以下略)

 通院または入院1日あたりの金額と、3か月ごとに減額があるという内容の規定です。

(6か月以上通院すると半額以下になるとか、こういう事はパンフレットには絶対書いてませんね)

 次に、損害額の規定が人身傷害条項第7条第1項に書いてあるようなので、第7条を参照します。

第3章 人身傷害条項

第7条(損害額の決定)
(1)当会社が保険金を支払うべき損害の額(以下「損害額」といいます。)は、(中略)算定基準によって算定される金額(賠償義務者がある場合において、この金額が自賠責保険等によって支払われる金額(注)を下回る場合には、自賠責保険等によって支払われる金額(注)とします。)を合計して算出するものとします。

① 傷害を被り、生活機能または業務能力の減少または滅失をきたし、かつ、治療を要した場合=傷害による損害

(以下略)

 ちょっと難しい単語が並んでいますが、要は入通院日数から計算した金額を「損害額」としますが、自賠責保険の基準で計算した金額の方が上だったらそちらで計算します、ということが書いてあるだけです。

 この程度なら、数行の数式をさくっと組んで楽勝、と思ったところへ続けて「支払保険金の計算」というボスキャラが出現しました。

第9条(支払保険金の計算)
(1)1回の人身傷害事故につき当会社の支払う保険金の額は、次の算式によって算出した額とします。ただし、保険金額を限度とします。

  • 第7条(損害額の決定)(1)の規定により決定した損害額+ 前条の費用= 保険金の額

(2)(1)にかかわらず、次のアからカまでのいずれかに該当するものがある場合においては、1回の人身傷害事故につき当会社の支払う保険金の額は、それぞれ次の①または②の算式によって算出した額とします。

ア 自賠責保険等または自動車損害賠償保障法(昭和30 年法律第97 号)に基づく自動車損害賠償保障事業によって既に給付が決定しまたは支払われた金額
イ 対人賠償保険等によって賠償義務者が第2条(保険金を支払う場合)の損害について損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して既に給付が決定しまたは支払われた保険金もしくは共済金の額
ウ 保険金請求権者が賠償義務者から既に取得した損害賠償金の額
エ 労働者災害補償制度によって給付を受けることができる場合は、その給付される額(注1)
オ 第7条(損害額の決定)(1)の規定により決定した損害額および前条の費用のうち、賠償義務者以外の第三者が負担すべき額で保険金請求権者が既に取得したものがある場合は、その取得した額
カ アからオのほか、第2条の損害を補償するために支払われる保険金、共済金その他の給付で、保険金請求権者が既に取得したものがある場合は、その取得した給付の額またはその評価額(注2)

① アからカまでの合計額が、自己負担額(注3)より大きいとき
(1)に定める額-( アからカまでの合計額- 自己負担額(注3)) = 保険金の額
② 上記①以外のとき
(1)に定める額

(注1)給付される額
 労働者災害補償保険法(昭和22 年法律第50 号)に定める社会復帰促進等事業に基づく特別支給金を除きます。
(注2)その取得した給付の額またはその評価額
 保険金額および保険金日額等が定額である傷害保険または生命保険等の保険金または共済金を含みません。
(注3)自己負担額
第7条(1)の規定により決定した損害額と前条の費用の合計額から、(1)に定める額を差し引いた額をいいます

 ただし、賠償義務者があり、かつ、判決または裁判上の和解において、賠償義務者が負担すべき損害賠償額が算定基準と異なる基準により算出された場合であって、その基準が社会通念上妥当であると認められるときは、その基準により算出された額を、第7条(1)の規定により決定した損害額とみなします。なお、この額の算出にあたっては、訴訟費用、弁護士報酬、その他権利の保全もしくは行使に必要な手続きをするために要した費用および遅延損害金は含みません。

(3)(1)および(2)の規定にかかわらず、保険金請求権者が、第7条(損害額の決定)(2)の規定により、賠償義務者に損害賠償請求すべき損害に係る部分の金額を除いた金額を請求した場合は、1回の人身傷害事故につき当会社の支払う保険金の額は(以下略)

 えーっと、どの項目を適用して保険金額を計算すればよろしいのでしょうか?

 (1)の計算式で計算するかと思えば、すぐ次に(2)の但し書きがあって①か②で何か差し引きする計算式があって、注意書きもいっぱいあって(3)まであるし、何がなんだか・・・。

 単純に通院1日8,400円×通院日数として、どんぶり勘定で計算して終わらせてしまう手も考えました。しかし、正解が分からないまま放置したのでは、警告やエラーを無視したままコンピュータシステムを運用しているかのようで、安心するために始めたことが反対に不確定要素が増える結果となり、全くの逆効果になってしまいます。

 まあ複雑な文書はコンピュータプログラムのようなものです。そしてシステム業界経験者であれば、関数の出どころ不明かつ作成者によるコメント(注釈)すら無いスパゲティプログラムの改修などをした経験はないでしょうか。日本語とプログラムという媒体の差異はあるものの、この程度の構文の解析なら終電前、もとい朝飯前で問題無くできるはずです(白目)。

 という訳で、約款を解読して保険金額計算の数式を作成する、という作業をやってみることにしました。

 多少「しつこい」という自覚はあります。

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